9月に入りました。お子さん達は夏休みも終わってしまい、いかがお過ごしでしょうか?

 

家に居て家族といる時などは問題なく話をしているような子でも、家の外や学校ではぴたりと
話せなくなってしまう子がいます。学校からの報告で初めてその事実を知ることになるご家族も
おられますが、家でのお喋りな様子を知っている家族からすると戸惑われることでしょう。

発語や言葉の理解などの言語能力に問題は無く正常であるのに、家の外や学校といった特定の
環境下で話せなくなるという状態が1ヶ月以上続くようであれば、場面緘黙症である可能性が
考えられます。

しかし、子どもにとって、新しい環境に緊張しその緊張感から言葉数が減ってしまう事はよく
起こりうることではあるのです。その為、進学や進級で環境が変わった時期などにこういう様子が
見られる場合は、この1ヶ月という期間に捉われずに慎重に期間をかけて見極める必要があります。

 

この場面緘黙症は選択性緘黙症とも呼ばれており、発症は就学前の子どもに多いとされています。

ただ、大人しい性格の子が多く、周囲からは「人見知りなのだろう」「緊張しているからだろう」
等と判断され、本人の苦しみや困っているという事実が見落とされがちです。そのため、実際に
病院へ相談に行き診断を受けるタイミングが遅れ、一般的に症状が発見されるのは小学校低学年
頃であることが一般的に多くなっています。

 

場面緘黙症は、わざと話さないのではなく、話すことができない状態であり、無理に話す事を
強要するとよけいに話せなくなってしまいます。話したい気持ちは持っていても何故か話せない
自分に対しもどかしさや苛立ちを感じている気持ちを、理解しようとする気持ちが大切です。

症状の程度については、外では全く話せなくなる子の他、囁くような小さな声でなら一言だけでも
ぽつりと話せる子、首を振ったりする事で意思表示はできる子など、出来る事や頑張り方は
一人一人違うという事についても、周囲はよく見て汲み取ってあげて欲しいと感じる部分です。

 

この場面緘黙症の子ども達への関わり方が難しいと悩んでいる方も多いでしょう。
気を付けて頂きたいのは、話したくても話せないのだという点ばかり注目し理解したつもりで
接すると、「この子は話さないから」とその子が話す事に期待していないように思える姿勢で
関わる事に繋がります。これは好ましくありません。

もちろん話す事を強要しないことが大切なのですが、あくまでも他の子への対応と同じように
話しかけ、そこでその子が答えられなくても、言えなかった事に着目して過度に気遣う言葉を
かけるよりも、「そうか、答えられないかな?じゃあ次の子どうかな?」という風に、さらりと
話を次に移していくようにしてあげると、本人の恥ずかしさや緊張は少なくて済みますし、
期待されていないように感じてしまうこともありません。

さらりと次に移ることが重要な理由は、注目が長く自分へ向いている事は本人にとって恥ずかしさ
が強く、また、何かの反応を求められていると感じると困ってしまう為です。そうするとよけいに
言葉は出なくなります。

 

場面緘黙症の子どもへの対応としては、本人が緊張や不安がやわらぐような安心を感じられる事と、
その安心できる環境でコミュニケーションを取りながら、自然と感情の表出や声が出せるような
関係作りが大切です。

 

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